スギ舌下免疫療法
スギによるアレルギー性鼻炎(花粉症)
アレルギー性鼻炎の中で空気中を飛散している花粉がアレルゲンとなって起こるアレルギーの総称が「花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)」です。
スギの花粉の飛散時期は年度や地域によって若干異なりますが、主に2月~4月に飛散し、3月上旬~中旬がピークとなります。
花粉症を引き起こす花粉はスギだけではなく、春のヒノキ、夏のシラカンバ、秋のブタクサなど季節によって様々な花粉が飛んでいますが、花粉症の原因として最も多いのはスギです。
スギ花粉症の治療法
まずは原因となるアレルゲンからの回避、つまりスギをできるだけ避けることが大切です。
外出時にはマスクや帽子、メガネを着用し、衣服に関しても毛織物のような表面が突起したものはなるべく着用せず、帰宅時には花粉を服などから払い落とし、入室後はうがい、手洗いをしっかりと行います。部屋をこまめに掃除し、タバコやアルコール、香辛料など刺激の強いものは控えます。
こういった対策を行った上で、当院では抗ヒスタミン薬(内服薬、点眼薬、貼付薬)、ロイコトリエン拮抗薬(内服薬)、ステロイド(内服薬、点鼻薬、点眼薬)、漢方薬を組み合わせて治療を行なっており、舌下免疫療法の適応がある場合、スギ舌下免疫療法を追加で行います。
スギ舌下免疫療法を開始するには
スギによるアレルギー性鼻炎であることや舌下免疫療法の禁忌にあたらない事など、スギ舌下免疫療法の適応があることの診断が必要です。このため初診時に詳しく病状をお聞きするとともに、アレルギーの採血検査などを受けて頂き、舌下免疫療法の説明を行います。1週間以降の再診時に検査結果を説明し、舌下免疫療法の適応がある方に対し同意をいただいた上で、治療を開始します。
治療開始時期
6月から11月中旬までが理想的で、当院では6月から11月末までの間に治療を開始しております。花粉の飛散時期やその前後に治療を開始すると効果がでないだけでなく、アレルギー反応が強く出る可能性もあります。効果がでるまでに3ヵ月程度必要なことも考えると、1年目に効果を期待するには11月中旬までには開始したいと考えています。
また、スギ花粉飛散が終了してからある程度期間をあける必要があり、当院ではスギとヒノキの花粉飛散が終わって1ヵ月程度経過した6月からスギの舌下免疫療法を開始しております。あくまで開始時期であり、一旦治療を開始し順調に経過している場合は花粉症の時期に関係なく治療を継続していきます。
効果について
8〜9割の方に効果があり、症状を和らげたり、使用する薬を減らすことができます。根治のような状態になる方もいらっしゃいます。しかし逆に言いますと1〜2割の方には効果がありません。
治療前に予測が出来ないため、治療を行いながら反応をみていくことになります。
ゆっくりと体質を改善していく治療であるため、少なくとも1年間治療を行なってから効果を判定しています。
スギ舌下免疫療法を受ける前に、ご確認ください
- 12~5月には治療を開始できません。
- 他の花粉ではなく、スギによるアレルギー性鼻炎に対する治療です。
(スギ以外にダニの舌下免疫療法もあります。その場合は次項を参照ください) - 初回(治療法の説明、採血での診断など)及び2回目(初回治療を行う場合、院内で30分間経過観察が必要)の受診には1時間~1時間半ほど時間がかかることがあります。
余裕を持ってご来院下さい。 - 治療開始直後の最低数回は1~2週毎の来院が必要です。
問題なく治療できることが確認できたら、その後は1ヵ月に1回程度の通院となります。 - 薬局での費用はひと月分で約2000円です。これに加えクリニックの受診費用がかかります。
- 効果や副作用、体調などで調整することもありますが、基本的は毎日舌下投与します。
- 3~5年の治療が必要です。
- 多くの方に効果があり、根治も期待できますが、効果がない方も一定数(1~2割)いらっしゃいます。
- 舌下免疫療法を行えない患者様もいらっしゃいますのでご注意ください。
CLINIC INFO
受付時間
休診日 水曜午後、金曜午後、土曜午後、日曜、祝日
まごのクリニック
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尼崎市猪名寺2-15-30
JR宝塚線猪名寺駅から
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